奥深きインドブログ

日本の音階とインドのラーガ

インド音楽で言う「ラーガ」(詳しくは→ラーガとは?)とは日本の「音階」、「節」、「調べ」、「調子」などの概念に似ていますが、今日は日本の音階にあたるインドのラーガを探してみました!

日本の音階といえば、基本となるものは「都節音階」、「民謡音階」、「律音階」、と「琉球音階」ですが、それぞれに一番近いインドの「ラーガ」が Bhinna Shadja, Dhani, Durga, とBihag だと思います。その他、陽音階(ヨナ抜き音階)もありますが、インドラータで似たものはBhupaliと言います。

もちろんどれも完全に同じというわけではありませんが、旋律が似ているとは思います。

都節音階

都節音階はド、ミ、ファ、ラ、シ、ドの音が使われ、「さくらさくら」が有名ですよね。

似ているインドのラーガは「ビンナ・シャッジャ」と言います。以下、Ashwini Bhide-Deshpandeさん(1960年生まれ)によるラーガ ビンナ・シャッジャ(ヴォーカル)です。都節音階に似ているかどうか、聞いてみてください。

(インド古典音楽は大抵ゆっくり始まってだんだんペースが速まって行く仕組みになっているので、冒頭のペースが遅いと感じたら、ビデオの途中からお聞きください)。

民謡音階

日本の民謡によく使われる音階で、ド、ミ、ファ、ソ、シ、ドの音が使われます。

良く似ているインドのラーガは「ダーニー」と言います。以下Malini Rajurkar(1941-2023)によるラーガダーニーの演奏です。

律音階

律音階の平調は5音音階で、ド、レ、ファ、ソ、ラ、ドの音が使われます。日本の雅楽によく使われる音階ですね。また、日本の国歌「君が代」もこの音階が使われています。

似ているインドラーガは「ドゥルガー」と言います。以下、Hariprasad Chaurasia氏(1938年生まれ)により笛で演奏されたラーガ ドゥルガーです。

琉球音階

沖縄の伝統音楽によく使われる音階で、ド、ミ、ファ、ソ、シ、ドの音が使われます。

似ているインドのラーガは「ビハーグ」と言いますが、ビハーグは上がりが琉球音階と同じ5音でも、下がりは8音(二種類の「ファ」が使われます)ので、少しだけ違います。それでも琉球音階に雰囲気が結構似ていると思います。

以下、Shivkumar Sharma氏(1938-2022)によるサントゥールでのラーガ ベハーグの演奏です。

陽音階

ヨナ抜き音階とも呼ばれ、ド、レ、ミ、ソ、ラ、ドの音が使われます。この音階は世界中の音楽によくつかわれる音階ですが、日本で言えば演歌、子守歌、そして「夕焼け小焼け」などでお馴染みの音階ですよね。

似ているインドのラーガは「ブーパーリー」と言います。以下、Malini Rajurkarさん(1941-2023)によるラーガ ブーパーリー(ヴォーカル)の演奏です。

皆さんはどう思われますか?インドと日本の伝統音楽は、小節のような装飾なども含め、どこか似ていると思いませんか?

是非コメントで教えてください!


ブログをフォローするにはメールアドレスをご入力ください

コメント

“日本の音階とインドのラーガ” への2件のフィードバック

  1. Vのアバター
    V

    とても興味深く拝見させていただきました!自分もラーガと日本の共通歌を探したいと思っていたのですが沢山ありますね。さくらは私はBhairagiとミックスして歌ってみた事があります。別のアーティストの方はGaraでアレンジして歌っているのを聴きました。とても面白いです!これからも勉強させていただきます

    1. Sadhanaのアバター

      Vさん、素敵なコメントどうもありがとうございました!インド音楽をやっていらっしゃるんですか?すごい!Bairagiもいいですね!Bhinna Shadja は全体的にスケールは似ていても、「Sa」はSakura Sakuraの主音と違いますよね。Bairagiの”komal ni”を”komal dha”にすることで確かにもっとあっているかもしれません。私も日本とインドの伝統音楽の似ているところをもっと勉強したいと思っています。:)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です